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診療放射線学科2024.7.18

松尾 龍人 准教授「フランスで実験をしてきました」

超高齢化が進む中,アルツハイマー病やパーキンソン病などの病気が社会問題となっています.これらの病気では,アミロイド線維と呼ばれるタンパク質でできた線維が,脳の細胞にダメージを与えることが発症の原因と考えられています.しかし,アミロイド線維の性質については,まだ分かっていないことが多くあります.

 

私は,中性子線を使って,アミロイド線維が細胞に損傷を与えるときの動きを原子レベルで詳しく調べる研究を進めています.中性子を使うためには,研究用原子炉や加速器と呼ばれる大型施設で実験をする必要があります.

 

今回,フランス南東部のグルノーブルにあるラウエ=ランジュヴァン研究所に行き, 世界最高出力を誇る研究用原子炉で実験をしてきました.

(左) 東京(HND)からパリ(CDG)への航路. 2022年3月以降, 東回りに変更された.(右) ラウエ=ランジュヴァン研究所の有する研究用原子炉.

 

原子炉の中には, 目的別に多くの装置が設置されていますが,今回はそのうちの1つを使いました.アミロイド線維が入った容器を装置の中へ慎重に入れ,中性子線をONにして測定開始です.

(左) 東京(HND)からパリ(CDG)への航路. 2022年3月以降, 東回りに変更された.(右) ラウエ=ランジュヴァン研究所の有する研究用原子炉.

 

測定したデータの解析には時間がかかりますが,どのような結果が出てくるのか,一番ワクワクする段階です.出てきた結果の解釈が済めば,国内外の学会で発表したり,国際学術誌に論文として発表したりしながら,病気の仕組みを少しずつ解き明かしていきます.

 

余談ですが,ワクワクと言えば,下の写真のように美食の国フランスならではの楽しみもあります.朝は,滞在先近くのカフェで本場のクロワッサンとエスプレッソ.実験に備えエネルギーを蓄えます.間食には,やはり本場のマカロンやクレープなども.食事はどれも美味しく,これも海外実験の楽しみの1つです.

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