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診療放射線学科2025.6.25

診療放射線学科 林慎一郎教授の論文が欧文誌 “Applied Radiation and Isotopes”(応用放射線と同位体)に掲載されました。

雑誌:Applied Radiation and Isotopes
巻号:2025, 225, 112008
題名:Preliminary study of 3D dose distribution evaluation in neutron capture
therapy using a PVA-GTA-I radiochromic gel dosimeter
(PVA-GTA-Iラジオクロミックゲル線量計を用いた中性子捕捉療法における3D線量分布評価の予備的研究)
URL:https://doi.org/10.1016/j.apradiso.2025.112008

 

 

〔概要〕

ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、10Bと熱中性子の核反応を利用した癌治療法として期待されています。そのBNCTにおける3次元(3D)線量分布を評価するための線量計として3Dゲル線量計が注目を集めています。この研究では、我々が開発したPVA(ポリビニルアルコール)とヨウ化物が錯体を形成して赤色に発色する仕組みを利用したPVA-GTA-Iラジオクロミックゲル線量計のBNCTへの応用について検討しました。中性子増感剤として10Bおよび6Liを添加したPVA-GTA-Iゲル線量計に原子炉からの中性子を照射しました。今回の実験では、将来的な3D線量分布評価のための予備実験として、小型ゲル線量計システムにおける吸光度変化を測定することで、擬1次元深部線量分布を評価しました。結果は、PVA-GTA-Iゲル線量計が中性子増感剤の中性子捕捉反応に起因する線量増加を検出できることが示されました。また、この擬1次元深部線量分布の形状は、簡単なシミュレーション結果とよく一致しました。これらの結果から、将来の大型ゲル線量計と光学CT装置を用いた3D線量分布測定の可能性が期待できます。

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