診療放射線学科 松尾准教授らの論文が国際誌Journal of Peptide Scienceに掲載されました.

・論文の概要
アルファシヌクレイン(αSyn)というタンパク質はパーキンソン病の原因物質として知られています.パーキンソン病の特徴として,患者の脳には,多数のαSyn分子が凝集したアミロイド線維という繊維状の凝集体が見られるため,アミロイド線維がどのように形成されるかについての研究が精力的に行われています.一方,αSyn分子内にリン酸化やヒドロキシ化などの化学修飾が起こると線維形成の速さを変化させることが分かっていましたが,化学修飾によってαSyn分子の形がどう変化するのかは不明でした.また,化学修飾されたαSynの研究には技術的な困難があり,これまで矛盾する結果も出ていました.今回,研究チームは,大腸菌発現系とペプチド合成を併用することで, リン酸化およびヒドロキシ化αSyn分子を高純度で得る技術を開発し,放射光円偏光二色性分光という計測法を用いることでαSyn分子の構造を調べました.その結果,リン酸化およびヒドロキシ化が起こっても,αSyn分子自身の構造は変化していないことがわかりました.このことは,化学修飾がαSyn分子の構造ではなく, αSyn分子間の相互作用を変化させることでアミロイド線維形成速度を変調させることを示唆しています.
【論文情報】
・論文タイトル
No significant secondary structural change of α-synuclein monomer by site-specific DOPA or phosphorylation introduction in its C-terminal region
・雑誌名, 発行年, DOI
- Pept. Sci. 32:e70118 (2026), doi.org/10.1002/psc.70118
・著者
Tatsuhito Matsuo#, Isao Suetake#, Mariko Kimura, Satoshi Hashimoto, Koichi Matsuo, Sakiko Matsumoto, Shinji Hirotsune, and Hironobu Hojo#* (#: 共同筆頭著者, *:責任著者)