診療放射線学科の学生が環境省「ぐぐるプロジェクト」で放射線の差別や偏見を無くそうと提言
診療放射線学科の2年生10人が昨年12月に環境省「ぐぐるプロジェクト」の一環として行われた「ラジエーションカレッジ」のセミナーを受講し、放射線に関する正しい情報や健康への影響などを学びました。その学びを生かし4人の学生は、全国6カ所で実施されたプレゼン収録会に参加。「放射線の差別や偏見を無くそう」などとする自身の考えを発表しました。
同省は、放射線の健康影響に関する情報を読み解く力と風評に惑わされない判断力を身につける場を創出するため、昨年7月に「(つむ)ぐ(つな)ぐ(つたわ)るプロジェクト」を発足させました。
同プロジェクトでは、①知る、 ②学ぶ、 ③決める、 ④聴く、 ⑤調べるの5つの事業を戦略的に展開し、その中で要となる②学ぶ「ラジエーションカレッジ」は、全国の大学生等を対象にセミナーを開催後、参加した学生に情報発信の機会が設けられます。
学生らは、セミナーを通じて、放射線の基礎知識や健康への影響、風評被害などについて学びを深めました。また、4人の学生は福島と東京会場のプレゼン収録会にも参加。指定されたスライド資料を用いて、会場に集まった同世代に伝わるよう発表時間5分以内で放射線に関する問題を自分の言葉で発信しました。
<プレゼン部門に参加した4人のコメント>
梅田慶太さん
放射線による健康被害のイメージ調査結果を見て、誤解が多く存在するのだと感じました。残りの大学生活で正しい知識をしっかり身につけて、診療放射線技師として患者さんに接するときに『この人に担当してもらえて良かった』と言ってもらえるように頑張りたいです。
栁田竜之介さん
プレゼン収録会では、学んだ知識を放射線についてよく知らない方々にも分かりやすく伝えるため言葉選びを意識しました。この経験を学会発表や将来、診療放射線技師として働く際に生かしていきたいです。
堂々とした表情でプレゼンを行う梅田さん(左)と栁田さん
明野遼香さん
人前で発表することに興味があり参加しました。セミナーを通じて、放射線に関する差別や偏見などの実態を知ることができました。震災当時は小学生でしたが、原発事故に衝撃を受け、強く記憶に残っていたことから、実際に福島県を訪れ役場で働く人などの話を聞き理解が深まりました。この経験を基に自分の身近な人にも正しい情報を伝えていきたいです。
金崎優香さん
セミナーで発表した時は、過度の緊張からかうまく発言することができない場面もありましたが、コミュニケーション能力を身につけるために参加したので良い経験でした。私たちが学んでいる放射線は怖さだけではなく、役に立つ良い部分もたくさんあります。将来、放射線を扱う専門職として、家族や友人、患者さんなどに正しい知識を伝えていきたいです。
- テレビ取材に応える明野さん
- セミナーで発言する金崎さん
■環境省「ぐぐるプロジェクト」特設サイト