診療放射線学科 松尾准教授らの国際共著論文がScientific Reports誌に掲載されました

・論文の概要
バクテリアは, 飢餓状態になると芽胞を形成し「冬眠」状態に入ります.そして,周りの栄養環境が改善すると発芽し元の状態に戻ります.芽胞の形成に伴ってバクテリア内部の水分量が減ることは知られていましたが,水分量の減少が, バクテリアを構成するタンパク質などの生体高分子, 残存している水の状態にどのような影響を与えるのかは不明でした.今回,芽胞を生きたままの状態で調べられる中性子準弾性散乱法と研究チーム独自のスペクトル解析方法を組み合わせることで,バクテリアの内部では, 1) 生体高分子は自由に動くことができず運動が大きく制限されている, 2) 水分子は自由に動き回ることができる, ことが明らかになりました.エネルギーを多く消費する生体高分子の動きを制限することは, 栄養が獲得できない芽胞形成中の「省エネ」になると考えられます.また,発芽をする際には水分子を介した情報伝達が必要になりますが,水分子を元々動きやすくしておくことで,発芽のプロセスを円滑に効率よく行える可能性が考えられます.
【論文情報】
・論文タイトル
Quasi-elastic neutron scattering studies on bacterial spores and their hydration water
・雑誌名, 発行年, DOI
Sci. Rep. 16:14453 (2026), https://doi.org/10.1038/s41598-026-44676-1
・著者
Alexandre Colas de la Noue#, Tatsuhito Matsuo#, Francesca Natali, Michael M. Koza, Tilo Seydel, Fatima Fekraoui, Jean-Marie Perrier-Cornet & Judith Peters (#共同筆頭著者)