昨今、漢方薬の処方頻度、服薬頻度が急増する一方、漢方薬の科学的研究も急速に進んでいます。漢方薬の有効性が医師、薬剤師によって実感されており、処方頻度が益々高くなっていくと考えられます。また、テレビ、新聞でも漢方薬がよく取り上げられ、多くの人に漢方の存在が広まっています。そのような中、漢方診療は薬剤師、医師にとって必須で、漢方薬の使用方法について多くのことを知らなければなりません。当教室では西洋医薬学の知識、技術を疎かにすることなく、大学の内外において実践的な漢方診療についての診断、臨床などの知識の習得ならびに研究を卒前および卒後教育として行います。漢方診療により疾患を治療したり、相談を受けたりする喜びを感じられる分野です。 さらに、もう一つの研究分野として創薬研究を行なっています。昔から、自然界に存在する植物・動物あるいは鉱物の薬効を示す部位を、医薬品として利用できる形にし、「生薬(しょうやく)」として使ってきました。生薬はまた、薬効成分が医薬品として利用されたり、その薬理作用と化学構造式をヒントに新たな医薬品が開発されており、「生薬学」は薬学の原点とも言える分野です。世界には、まだまだ珍しい植物や詳しい成分・薬効が不明な天然資源がたくさんあり、私たちは新薬開発につながる生物活性成分を探しています。「もしかしたら、世界で初めての物質」を発見できるかもしれないというロマンがある研究分野です。
医療薬学研究センター
臨床現場と協力して、有効で安全な薬物使用のための研究を。
【漢方診療学部門】
中島 正光
【医療薬学研究センター 】
三宅 勝志、木村 幸司、大松 秀明、吉川 明良、田山 剛崇、前田 志津子、覺前 美希
健康にとって薬は欠かせないものです。しかし、服用した薬を有効に安全に使うためには多くの情報が必要となります。
研究室では医療現場より得られた事柄(イベント)を中心に、場合によっては臨床現場の薬剤師と協力して、「有効で安全な薬物使用に関する」研究を行っています。
例えば、薬との飲み合わせも大きな問題となります。この飲み合わせは薬物相互作用といいますが、薬だけではなく食品との相互作用もあります。
健康食品、清涼飲料水の中にも薬の効果に影響を与える場合も。研究室ではお茶や漢方薬が医薬品に与える検討も行っています。
ほかにも、薬を選択・使用する際に、どの薬が最も効果的か、効果に影響を与えるものは何かといった検討や、幼児や小児に対して薬を使用する際に、
どんな情報が必要か、どういった情報提供が効果的かなどの研究を行っています。さらに、情報を伝えるための、効果的なコミュニケーションに関する検討も行っています。
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