7月8日
福島高専の尾形慎博士が研究打ち合わせのために福島から来研されました。尾形慎博士は生物工学の新進気鋭の将来を属望される研究者です。
馬インフルエンザはウマインフルエンザウイルス(EIV)の感染による伝染性の高い呼吸器疾患であり、
高価な競走馬を育てる生産地を含む競馬産業にとって非常な脅威です。ウマインフルエンザ診断のための
EIV診断(エスプライン)の感度向上は競馬産業にとって重要な研究課題です。尾形慎博士のカイコを
用いた遺伝子組み替えによる糖転移酵素の発現技術の確立と、我々の不安定な生体微量物質
(CMP-Neu5Gcおよびその誘導体)の世界初の実用的合成の成功というオンリーワン同士の研究が
融合することにより、ウマインフルエンザ診断技術は大きく前進しています。
さらに高性能な糖被膜型微粒子の合成へと進化は続きます。
将来、糖鎖からヒト、サル、ウマ、イヌなどの進化の系統樹の解明を夢見ています。
本研究課題はJRA競走馬総合研究所受託研究の一環で進められています。