2021年06月18日

2021年度 広国市民大学 -こども未来コース(乳幼児期編)-を開講

広国市民大学は6月2日、2021年度最初の講座「こども未来コース(乳幼児期編)」をオンラインで実施し、市民大学生11人が参加しました。

同コースは、乳幼児期編・学童期編・思春期編の3部構成で、乳幼児期編は、人生のスタートであり目覚ましい発達を遂げる乳幼児期(0~6歳ぐらい)に関する発達心理学の知見を紹介します。遺伝と環境、胎児期の発達、有能な赤ちゃん、養育者との相互作用、愛着としつけ、ことばの発達、遊びの大切さなどについて全6回を通して考えていきます。

講師は、心理学科の鹿嶌達哉准教授(専門分野:発達心理学)が務め、初回は「生まれか育ちか?胎児が笑っている?」をテーマに実施しました。

受講者に自己紹介する鹿嶌准教授


鹿嶌准教授は、「遺伝の影響がどのように現れるかは、環境によって決まり、子供の個性に応じた教育をすることが大切です」と説明しました。

生まれ(遺伝)と育ち(環境)のどちらも大切ですが、最近は遺伝の影響力の大きさが「行動遺伝学」により明らかにされつつあります。遺伝の話でよく話題に出る「背の高い父の子供は背が高い」という話は、あくまで高身長になる確率が高くなるだけであり、父母の複数の遺伝子が影響することから、必ずしも高身長に成長するとは限らないとされています。

「遺伝と環境」「胎児の知覚・認知能力」について


そのほか、講義では、胎児の著しい成長、ライフサイクルなどについても触れました。今後の講座も各テーマに沿って、乳幼児期のことについて学んでいきます。

広国市民大学は、学生や教職員だけでなく、地域や社会の全ての人にとって「ともにしあわせになる学び舎」となることを目指し、2018年4月に開学。昨年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、予定していた全コースを中止としましたが、今年度はオンラインを基本とした実施により、2年ぶりの開講となりました。

受講者に配付したメッセージで広国市民大学の吉川眞学長は「チャレンジする気持ちを忘れずに、有意義な学生生活を送ってください」とエールを送り、こども未来コース長の片岡隆夫東広島市こども未来部長は「子どもたちが大人になる過程で起こる心や身体、対人関係などのさまざまな変化について理解を深めることで的確な成長のサポートが可能になるのでは」と期待を寄せました。