2019年06月14日

学生が地域の認知症サポーターに~医療福祉学科の3年生が養成講座受講~

6月5日、医療福祉学科が「地域がキャンパスin黒瀬(※)」の取り組みの一環で、同学科の3年生を対象に「認知症サポーター養成講座」を実施しました。認知症サポーターとは、認知症に関する正しい知識と理解を持ち、認知症の人や家族の手助けをする地域の担い手で、サポーターになるためには所定の研修を受講する必要があります。講座では、東広島市社会福祉協議会黒瀬支所協力の下、黒瀬町で認知症の人を支える保健師やサポーターから、正しい知識や実体験に基づいたかかわり方などを学びました。

サポーターになったきっかけが、同じ地域に住む友人(以下Aさん)の認知症発症にあったというのは、この日に体験談を語ってくれたBさん。それまで何事もてきぱきとこなすタイプだったAさんですが、ある時から物忘れやミスが目立つようになりました。Bさんは、「周囲がAさんに対して距離を取るようになっていきました」と振り返ります。しかし、Bさんを含めた周囲の住民が行政主催の「認知症サポーター養成講座」を受けたことにより、Aさんが認知症であることを認識。知識が深まり、Aさんを自然とサポートできるようになりました。
「せっかちだった私も、Aさんを受け入れることで待てるようになりました」
と、Bさんは笑顔で語りました。

「認知症の知識を得ておくことは、自分や相手だけでなく地域のためになる」とBさん

講座の終盤には、「もし先生が認知症になったらどうする?」をテーマにグループワークを行い発表するユニークな場面も。
「こまめに声掛けをする」「できるだけ一緒に行動する」「ゼミ室の壁にタスクリストを貼る」など、学生からさまざまなアイデアが発表されました。
「本人に認知症を告げる?告げない?告げるとしたらタイミングは?」
といった難しい問い掛けにも真剣に悩みながら、学生は自分事として捉えて熟考していました。

ゼミごとに分かれてグループディスカッション

講座受講後、学生は認知症サポーターの証・オレンジリングを受け取り、晴れてサポーターとなりました。地域住民とともに認知症の人とかかわりを持つことで、修得した知識を実践の場で生かすことを期待します。

※「地域がキャンパスin黒瀬」
・・・黒瀬地域の住民自治協議会と本学医療福祉学科の学生が2015年に設立。
   福祉・介護・保育をキーワードに高齢者向け事業や子ども向けイベント
   を共同で企画・運営。東広島市社会福祉協議会協力の下、ともに地域
   づくりに取り組む。

広報室