教員紹介


山岡 薫(やまおか かおる)  総合リハビリテーション学部長、リハビリテーション学科長、教授
学位・資格 医学博士、医師
専門分野 筋の生理学、細胞生理学、分子生物学
キーワード イオンチャネル、膜蛋白、トキシン
研究テーマ 1)イオンチャネル分子機能解析
イオンチャネルに特異的に結合する薬剤、 毒物などの分子機能の解明と創薬への応用。
2)慢性疼痛メカニズムの解明
傷害シグナルが慢性疼痛に至る機構を細胞、組織レベルで明らかにする。
研究紹介 研究実績一覧

自己紹介

解剖学、生理学、それらの実習、医学概論などを担当しています。
元々、循環器科を専門とする内科の医師で、不整脈が専門です。臨床を4年間行った後、生理学の研究や教育を広島大学医学部で行ってきました。2006年に広島国際大学で理学療法学科が開設される時に、こちらに異動しました。生理学ではイオンチャネルの働きを研究していました。イオンチャネルは細胞の表面にあり、細胞が興奮するという機能を司っています。神経の細胞が興奮することによって、その情報が瞬時に体の各所に伝わりますし、複雑な神経回路によって脳のはたらきを作ります。筋が収縮するときにも、神経の興奮が筋に伝わり、筋細胞が興奮します。そのようなイオンチャネルの分子機能とイオンチャネルに働く物質の研究を行っています。

教育方針

学科の教育方針にもありますように、勉強(学習)は覚えることではないということを伝えたいと思います。解剖学を担当していますが、理学療法では筋の骨への付着部位がその運動機能を理解するのに大変重要になります。教科書ではその骨の付着部位名、走行が記載されており、それを覚えれば試験は合格します。ところが、筋とその付着部名は分かっていても、付着部そのものが骨のどこにあるかが分からない学生が意外と多いのです。これでは理学療法士になってもその知識を役に立てることはできません。しかもそのような丸暗記をして、試験に合格しようとすれば、覚える作業が膨大になり、難行苦行を強いられることになります。私はそんな馬鹿な真似を皆さんにはさせたくありません。皆さんには実際に骨の模型に筋の代わりにビニールテープを付けて学習してもらうよう指導しています。骨の二カ所にビニールテープを張り、関節を動かします。関節が動いたときビニールテープが緩む動きの方向がその筋の作用を示しているのです。知らず知らずに骨や筋の付着部名を覚えてしまうこのような学習方法はいかがですか?

担当授業

解剖学Ⅰ

1年次前期開講。解剖学の基礎と筋・骨格系・靱帯・関節を学びます。(解剖学Ⅱでは神経系・内臓系などを学びます。)。解剖学Iの知識によって、関節の動きなどの運動メカニズムの基本が理解できます。次に学習する運動学や理学療法の評価学、治療学の基本となります。

解剖学実習

1年次後期開講。主に模型を用い学習しますが、そのうち3回程度、広島大学医学部で解剖学実習を見学します。解剖学ⅠやⅡで学習したことを模型を使って再現します。立体的な構造や動きを理解するには絶対に必要な科目です。

生理学Ⅰ

1年次後期開講。体の機能についてそのしくみを説明することが生理学といっていいでしょう。体の機能は目に見えることばかりではありません。呼吸をするとはどういうことなのか、筋が動くのはなぜなのか?神経系はどのように運動を制御するのか?等々。そのうち生理学Iでは、生理学を学ぶための基礎を学習し、その後、血液、循環、呼吸、腎臓の機能などについて学びます。

生理学Ⅱ

2年次前期開講。生理学の分野のうち、神経・筋・感覚器の機能などについて学びます。

生理学実習

2年次後期開講。生理学I、Ⅱで学習した内容を実験で確かめます。実験の結果をグループ毎にまとめレポートにします。グループ毎にレポートの評価を行いレポートの書き方を指導します。実験の内容は物理化学的性質を見るもの(浸透圧, 溶液の緩衝作用)、カエルを使った実験(神経の興奮伝導、カエルの筋収縮)、ヒトを体の機能を調べるもの(腎機能、感覚、ヒトの筋電図、ヒトの心電図、ヒトの循環動態、肺機能、呼気ガス分析による心肺能力の測定)があります。

医学概論

1年次前期開講。西洋医学が成立した頃からの医学の歴史(ヒポクラテス、ガレノス、黒死病、解剖学の成立、循環の発見など)、感染症、認知症、肥満、医療制度、医療過誤などのトピックを題材に医学というものを概観します。

病理学概論

2年次前期開講。他の3人の担当教員とオムニバス形式で行います。私の担当は循環や血液の病理で病理学のみならず臨床医学にも話が及びます。

チュートリアル

チュートリアルの授業は1年次前期に開講され、各担当教員に4~5名の学生が割り当てられ少人数で行われます。授業の内容は各教員に任せられておりますが、基本的にはチュートリアルを指導するチューターは学生の自主性に任せて活動してもらうのが趣旨です。入学直後の皆さんはまず、どうやって勉強するのかというのに戸惑うことが多いようですので、私の場合はそういうことにも対応するようにしております。医療や医学に関するテーマを自分たちで調べて発表することも行ないました。場合によっては医療や医学に関する映画のDVDを各自あらかじめ見ておいてそれについて議論することも行います。毎年、どれをやるかは決めていませんが、授業で行う内容も学生の皆さんで決めます。

ゼミ

ゼミでは卒業研究の指導を行いますが、過去3年の卒業論文のテーマは下記リストの通りです。動物実験も行いますが、ヒトを対象としたことも扱います。動物実験では初期は筋萎縮の実験を行っていましたが、最近では疼痛に対する理学療法の効果を調べています。慢性疼痛動物を作って、その神経細胞のイオンチャネルの性質の変化を調べようとしています。

卒論リスト

  • ラットにおける廃用性筋萎縮後の低周波刺激による筋機能の回復-臨床応用を想定した低周波刺激時間によって-
  • 廃用性筋萎縮ラットの再荷重やフリーラジカル除去剤投与が筋機能に与える影響
  • ラット足関節2週間固定後の拘縮に対する関節可動域運動と温熱刺激効果の比較-足関節屈曲角度に着目して-
  • ラットアキレス腱切断後の修復に対する超音波照射の効果-超音波照射時期の検討-
  • 活性酸素などのレドックス反応誘発物質が心筋Naチャネルを選択的に傷害する -stunned myocardium(気絶心筋)の原因か?-
  • 分岐鎖アミノ酸摂取がスクワット運動後の持久力に及ぼす効果
  • ラット足関節2週固定後の廃用性筋萎縮に対する関節可動域運動と温熱刺激効果の比較 -筋湿重量比と筋横断面積に着目して-
  • サキシトキシン同族体のNaチャネル結合部位の決定にむけて
  • “筋萎縮後の張力増大を説明する筋Type変換 -Myosin ATPase染色による検討-”
  • サーカディアンリズムの攪乱が作業能率に与える影響
  • ラット下肢筋の単一筋線維張力の測定の試み
  • “廃用性筋萎縮における筋機能の改変 -下腿伸筋と屈筋の比較-”
  • 健常女性を対象とした下肢浮腫に対する各種介入方法による予防・治療効果の比較
  • 学生生活におけるストレスや症状と自律神経調節の関係
  • 後肢静脈結紮による加圧トレーニングモデルラットの運動と筋肥大および心臓毛細血管新生との関係
  • 自律神経活動からみた高齢者のリスク管理に関する文献的考察
  • 低酸素運動が筋および心臓に対する影響

大学院・研究室紹介

イオンチャネルの機能を電気生理学的に解析し、チャネル分子と機能の関係について調べております。Naチャネル分子異常と不整脈発生の関係について広島大の中野先生と共同で研究しております。Naチャネルに特異的に結合する物質(tetrodotoxinの仲間でsaxitoxinのアナログ)の構造とNaチャネル分子の機能との関係については東京農工大の長澤先生と共同で研究しております。また東北大学の平間先生とはcuigatoxinとNaチャネルの機能に関する実験を一緒にさせていただきました。cuigatoxinがNaチャネルに結合し、痛みを発生させる原因を明らかにしました。
今後はラットに慢性痛をつくり、後根神経節細胞のNaチャネルや他の痛みに関するチャネルの性質の変化について調べようと考えています。同時に理学療法的な治療によってその効果に伴い、イオンチャネルはどうなるのかについても視野に入れながら研究を進めております。もちろん大学院生は大歓迎です。理学療法に関しての目的についても対応しますが、そうでなくとももちろん大丈夫です。

経歴

学 歴

昭和54年3月 広島大学 医学部 医学科 卒業(医学士)
昭和62年3月 広島大学大学院 医学系研究科 生理系専攻 博士課程 修了(医学博士)

職 歴

昭和54年~58年、広島大学付属病院にて内科の研修医を経て、広島大学医学部内科学第一に入局。
この間、昭和56年4月から一年間広島県立安芸津病院に勤務。
昭和62年 4月から広島大学医学部生理学第一の助手となり、生理学の教育・研究を始める。
昭和62年5月から2年間英国オックスフォード大学に留学。
平成元年 講師、平成10年助教授、平成14年4月~現在、広島国際大学保健医療学部、教授

受賞歴

平成 元年 広仁会賞 受賞
平成 9年 広仁会基礎医学研究賞 受賞

業績

業績はこちら(PDFファイル)

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