リハビリテーション学科
義肢装具学専攻

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アスリートを支える義肢装具士
月城 慶一 教授 谷口 公友 准教授 大窪 伸太郎 講師

リハビリテーション学科 義肢装具学専攻 トピックス一覧 

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義肢装具学専攻の特徴

義肢装具士の活躍の場は広い

義肢装具士と聞くと、身体の動かなくなった(低下した)機能を補助(代償)するための義手や義足、装具を作ることをイメージされると思いますが、それだけではありません。医学や工学の幅広い知識を生かして、アスリート、パラアスリートのパフォーマンスを引き出すためのシューズのインソール・義手・義足の開発に携わったり、高齢者や障がい者の社会参加に関わる商品開発を行ったり、時には人間だけでなく動物を救うための義肢装具を開発することもあります。

エキスパートな教員

西日本で唯一、義肢装具士を養成する4年制大学である本専攻には、ここまで紹介してきた多彩な分野において、第一線で活躍する教員が多くいます。各分野のエキスパートである教員指導のもと、学生は義肢装具士に欠かせない知識・技能・コミュニケーション能力を修得します。

エキスパートな教員とアクティブな学生プロジェクト

学生主体のプロジェクトが多いのも、本専攻の特徴です。発展途上国に使われなくなった義肢パーツを再生して届ける「PCW(義肢パーツ再生プロジェクト)」、パラスポーツの普及啓発活動を行う「ASC(アダプテッドスポーツクラブ)」、医療福祉関連施設や商業施設の車椅子を無償でメンテナンスする「ROW(Repair Of Wheelchair)」はいずれも、社会ニーズの高さから多くのメディアに取り上げられました。

デジタルファブリケーション

本専攻では従来の義肢装具製作技術に加えて、最新のデジタル加工技術の教育に力を入れており、複数のデジタルファブリケーション機器を導入しています。これらは実習授業や卒業研究などで使用方法を学びます。


トピックス①

東京パラリンピックやり投げ日本代表選手を本学教員がサポート

広島国際大学 総合リハビリテーション学部 リハビリテーション学科 義肢装具学専攻
谷口 公友 准教授

東京2020パラリンピック競技大会で入賞を果たした日本代表の白砂匠庸選手
(男子やり投げ/上肢障害F46)、木村潤平選手(トライアスロン座位クラス/PTWC)に、
競技本番やトレーニングで使用する用具を開発・提供。
なお、現在は広島パラ陸上競技協会会長としても、障害の有無にかかわらず、だれもが
参加できて楽しめるイベントを企画し運営するなど、スポーツの普及を通した多様性を認め合う
平和な共生社会の実現を目指すことに目標に掲げ、尽力している。

トピックス②

後ろ足の障害で立てないキリンの子供に教員と学生が装具治療を実施

広島国際大義肢装具学専攻の山田哲生講師は、広島市安佐動物公園から依頼を受け、生まれつきの障害で立てないアミメキリンの子供「はぐみ」に、装具装着による治療を実施し、同専攻の学生も協力しています。

2020年4月、はぐみは両後足の足先を曲げるための腱が伸びきって足を伸ばせず自力で立てない状態で生まれました。ギブスで固定して立てるようになったものの症状が改善しないため、山田講師に相談がありました。キリンの装具治療は想像以上に難しく、初めての装具製作に何度も同園に足を運び、歩く姿や本来の足の角度を観察。痛みで装着を嫌がったり、装具の強度が足りないなど試行錯誤の連続でしたが、治療の効果が表れ、歩行や走ることも可能な状態まで回復。11月上旬には装具を外しても歩けるようになりました。

補助として同行し、「動物の義肢装具」を卒業研究のテーマとする藤本涼花さん(当時4年)は「今回の装具治療の経験を生かして研究を深めたいです。将来は、義肢装具士として人間だけでなく動物の助けにもなりたい」と抱負を述べました。


はぐみの治療を行った山田講師(左)と藤本さん

装具を着けたはぐみ。右は生まれた時の様子=広島市安佐動物公園から提供

トピックス③

パラリンピックを支える教員

パラリンピックの注目度と人気が回を追うごとに増しています。その舞台裏を支えるのが義足や車いすなどの修理スタッフ。東京で開かれたパラリンピックにそのメンバーとして加わる月城慶一教授は、なんと7度目の参加。世界各国から集まる約100人のスタッフのなかの中心メンバーとして頼られる存在。修理のベテランとして活躍しました。

広島国際大学 総合リハビリテーション学部 リハビリテーション学科  義肢装具学専攻
月城 慶一 教授

1988年国立障害者リハビリテーションセンター学院卒業。ドイツ義肢装具マイスター養成校(トンレトムント)卒業。2007年工学院大学大学院工学研究科修士課程修了。新潟医療福祉大学准教授を経て2015年4月から現職。義肢装具士。ドイツ義肢装具マイスター。京都府出身。

義肢装具士を目指されたきっかけは?

京都の工業高校を卒業。新聞で義肢装具士の国立養成学校が埼玉県所沢市にあることを知って入学。好きなものづくりができて、人の役に立てるというところに魅かれました。 その後、義肢装具製作に歴史があるドイツのマイスター学校で学び、マイスターとしてトンレトムントにある義肢装具製作会社や世界大手の義肢パーツメーカーであるドイツ・オットーボック社、そして同社の日本支社に勤務。仕事をしながら大学と大学院で機械工学の専門知識も身に付ける。

義肢装具製作が産業化されたのは第1次世界大戦後。

オットーボック社の創業は第1次世界大戦が終わった翌年の1919年。それまですべて義肢装具を手作り。戦争で障害を負った多くの元兵士が義足を必要とし、大きな需要が生まれた。義足業界のルネサンス。

世界から100人のベテラン職人が集い
2000件超の修理をこなす2週間

1988年のソウル大会以来、オットーボック社が公式スポンサーとなって選手村に修理センターを設置し、世界各国からスタッフを集めて修理サポートを行っている。

1998年の長野冬季大会から参加。その後は夏季大会ばかり、シドニー、アテネ、北京、ロンドン、リオに続けて参加しました。今回の東京大会で7大会目。
修理チームの規模は回を追うごとに大きくなっており100人の修理スタッフが朝8時から夜11時まで2交代制で修理。修理件数は2週間で2000件超え。

どのような修理が多い?

義足や装具のベルトやパーツの調整や交換、車いすのホイールのゆがみ直しなどあらゆる修理。ラグビーやテニスなど激しいぶつかり合いや動きのある競技の修理が特に多い。
世界大会級のパラリンピックとはいえ、開発途上国から参加する選手の義足や車いすはとてもひどい状態。右も左もはっきりしない義足、ブレーキの付いていない車いす、荷作り用のひもで直したような装具もある。そういう点で選手たちにはスタート時点で既に大きな格差がある。あまりにひどいので義足1本を初めから作り直す。無料で修理してくれると分かると、次の日にはその国の選手全員が修理センターにやってくる。
F1レースのピットのようなイメージ。

修理パーツが底をついても捨てたものをリサイクルする応用力

修理スタッフの楽しさや喜びは?

世界中から集まるベテランの修理仲間との連帯感。次から次へと持ち込まれる修理の9割は、先進国ではめったに経験することのないようなもの。応用問題ばかり。それらをチームで克服していく達成感は素晴らしい。大会の終盤には用意したパーツが底をつき、一度は捨てたものをリサイクルしなければならないことも。義肢装具士としての腕の見せ所ばかり。
2004年のアテネ大会で、修理センターにやって来た日本人選手が私を見て「日本語で頼めるんですね」とびっくり。それ以来、多くの日本人選手が来てくれるようになった。修理というのは微妙な調整が必要なので、日本語でやり取りできることに安心される。

修理スタッフとして心掛けていることはありますか?

一番はスピードと判断力。修理はいろんな国から来たプロ集団が力を合わせてやっている。チームワークでやっていることなのでちょっとでももたもたすると他のスタッフの足を引っ張ることになる。
これだけ続けて参加している修理スタッフは世界でも私ぐらい。2021年の東京大会でもベテランとして頑張りました。

 

(左)2021年東京大会での車いすの修理

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