2018年06月25日

避難所運営ゲーム(HUG)を実施
~地域住民と学生が協働で福祉避難所の運営を考える~

6月17日、東広島市河内町の地域住民15人と本学医療福祉学科・心理学科の学生16人が、本学東広島キャンパスで避難所運営ゲーム(HUG)を実施しました。同キャンパスは、東広島市より災害時に障害者や高齢者など避難に困難を伴う要支援者に対応した福祉避難所として指定を受けており、住民および学生は同ゲームを通じて福祉避難所の運営をシミュレーションしました。

同ゲームは、災害時に避難してくる人の詳細や起こりうる出来事について記したカードを指定された順番で読み上げていき、避難者や物品を避難所のどこに配置するか、どう対応するのかを決めていくもので、ゲーム感覚で避難所運営を学ぶことができます。地域住民と学生の混合で6、7人が1グループとなり取り組みました。
「世帯主は糖尿病で長男は引きこもり、犬を連れている・・・」「取材したいので誰か対応を・・・」。ゲーム中、実際の現場を想定して、さまざまな情報が矢継ぎ早やにもたらされます。参加者は難しいお題に苦労しつつも、限られた空間や資源をどのように活用するのか、意見を交わしながら検討していきました。
「到着した仮設トイレは、みんなが使いやすい場所に配置を」
「親を亡くした子どもは、できるだけ面識のある同じ地区の人たちの近くに」
など、少しでも避難者の負担を和らげようとする意見が出るなど、一歩踏み込んだ避難所運営のあり方を模索しました。

カードを覗き込んで議論する学生と地域住民

びっしりとカードが配置された平面図

指導に当たった社会福祉法人東広島市社会福祉協議会総務課の景山利徳氏は、
「災害はいつどこで起こるか分からない。いざ起きたときに何ができるか、考えるきっかけにしてほしい」
と呼び掛けました。

今回参加した学生は、福祉・心理の専門職を目指して学んでいます。同ゲームでも高齢者や知的障害者など、支援の必要な人が多数避難してくる想定の中で、「教室を開放して個別に対応する」「移動が困難な人は1階に誘導する」など、それぞれの立場から要支援者にどう対応するかを考える貴重な機会となりました。

広報室