2016年05月24日

福祉先進国の高齢者ケア学ぶ講演会を開催

5月11日、医療福祉学部が「スウェーデンにおける高齢者のケアと自己決定」をテーマに講演会を開催しました。

講師のエーミル・オストベリ氏は、
スウェーデンの福祉に関するノウハウやシステムを他国に紹介し、
福祉社会の確立に貢献する企業・スウェーデン・クオリティケア(以下SQC)のジャパンエリアマネージャーとして、
日本の大学や病院等で多くの講演を行っています。
「国際医療福祉演習」の授業で同学部の要望を基に、
SQCが企画するスウェーデンの視察・研修を実施していることから、本講演会が実現。
3年生を中心に同学部の学生約100人が、福祉先進国の医療・福祉の発展や現状を学びました。

スウェーデンで、高齢者・認知症ケアの場が都心部の大規模病院から地方に移り始めたのが、1980年代。
住み慣れた地域で自分らしく人生を過ごしたいと願う人々のために、世界で初めてグループホームが設立されました。
介護サービスが一部保険料で賄われている日本と違い、スウェーデンでは税金が適用されるため、
老後の経済的負担がかからない、といいます。
老後を楽しく過ごすスウェーデンの高齢者は、どんな介護サービスを受けるかも自分自身で選択できます。
介護専門職や施設は高齢者の自己決定に基づき、医師・看護師・理学療法士・作業療法士らとチームを組んで、
最適な介護サービスを提供しています。

オストベリ氏は、
「スウェーデンでは、サービスに高齢者を合わせるのではなく、高齢者が望む生活が第一という視点を大切にしている。
健康管理や療養上の世話だけでなく、自己決定に寄り添う介護のあり方が重要ではないか」
と学生たちに問い掛けました。

オストベリ氏の講演を受け、医療福祉学科長の矢原隆行教授は、
「海外の福祉の実態を聞く機会は貴重。
日本の福祉が取り入れるべき部分はどこか、考えるきっかけにしてもらいたい」
と締めくくりました。

「福祉の充実には国民の理解が必要」とエーミル氏

スウェーデンの福祉について理解を深める学生たち

広報室