2017年12月01日

咲楽塾「数学のひろがり38~一筆書きの数学」開催!

11月18日、数学公開講座を開催しました。55名(一般:19名、高校生:36名)の参加がありました。高校生も沢山来てくれました。みんなで数学が楽しめてよかったです。

今回は一筆書き(ひとふでがき)をテーマにしました。一筆書きは、線描きの図形を同じ線を二度以上通らず紙面から筆を離さないで書くこと(広辞苑)です。最近ではスマホのパズルゲームにもなっています。この一筆書きに数学が潜んでいます。

まず、みんなで一筆書きを解きます。そして一筆書きに「解法」があることを説明します。数学者オイラーが1736年に線描き図形を一筆書きできるための必要十分条件を見出しています。一筆書きが数学で解けるのです。最後に、一筆書きがグラフ理論やトポロジー(多面体定理)につながっていく様子をお話しました。一筆書きが解けて楽しく、解けなくてもオイラーの証明を聞いて納得で、盛り上がっていました。

一般の参加者の感想です。

・身近な問題に対し、数学としての置き換え、論理的解決。大変感動しました。
・昔のパズルを思い出して楽しかった。半分以上はなんとなく勘で解答できました。
・こんなに数学的に一筆書きを考えたことがなかったので、とても新鮮でした。一筆書きできそうな図形を見たら、解けるかどうかこっそり考えてみたいと思いました。
・学校を卒業して以来の勉強、一筆書き。難しかったけど楽しかったです。

続いて高校生の感想です。

・学校の勉強にも役立てたいと思います。
・オイラーがこんなにすごい人だとは知らなかった。もっと調べてみたい。
・一筆書きの話から話が広がって面白かった。
・一筆書きにも法則があるということに驚きました。
・高校で習っているオイラーが現代社会に何を残したのかがまずわかり、そして何故オイラーの様々な定理が成立するのかがわかりました。
・オイラーの多面体定理はちょうど最近習っていたので、少し発展したお話が聞けてよかったです。
・一筆書きの問題については昔に何問か解いたことがあるのですが、その度メモ用紙が真っ黒になるほど書いて解いていました。だから今回の授業を受けて、線の交点に着目するだけで解けると分かり、とても感動しました。一筆書きを解きたい気持ちで一杯になりました。

次回の数学公開講座は2月3日、「『原論』をつくった人々」です。お楽しみに。

写真撮影:程野早由利(呉キャンパス事務室)
記事作成:西来路文朗 (看護学部 教授)