2018年06月25日

男女共同参画を考えるイベント実施

企業のみならず教育研究機関でも、男女共同参画が求められる今、先進事例に学びどんな取り組みが必要かを考える「男女共同参画 講演会&茶話会」を、6月12日に呉キャンパスで開催し、女性教員7人が参加しました。

本会は、女性研究者のワークライフバランスに考慮した取り組みを通じて男女共同参画を推進する「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」事業の一環として実施。同事業は広島大が代表機関となって文部科学省の採択を受けており、本学もメンバー機関の一員として同事業を推進しています。

冒頭で「大学でなぜ『男女共同参画』が必要なのか?-広島大での取組を経験して-」をテーマに、広島大学大学院総合科学研究科行動科学講座の所属で元ダイバーシティ研究センター長の坂田桐子教授が講演。坂田教授は、海外と比較して日本の女性研究者の割合が極端に少ない現状に触れ、広島大も例外ではなかったと振り返ります。出産や子育てと研究活動の両立に困難を感じていた女性研究者らが、環境改善を目指してワーキンググループを立ち上げたのが、広島大の男女共同参画に向けた各取り組みの始まりでした。最初に実施したことは、実態把握のための教職員および学生へのアンケート。周囲の男性優位の意識や環境によるさまざまな弊害が浮き彫りになりました。なかには、育児休業明けに子どもを安心して預けられる場所が学内にほしい、男性も積極的に育児・介護参加することを奨励する制度がほしいなど、具体的な要望も。ワーキンググループはこうした要望も踏まえ、さまざまな制度改革を実現してきました。学内保育園や学童保育の設置、数値目標を掲げて女性を積極的に採用・登用する制度の導入に加え、授業の実施やテキストの発行など、男女共同参画にかかる意識啓発にも注力したと言います。

「国の施策も追い風になった」と坂田教授

その後、お茶菓子を片手に茶話会を実施。参加者が女性研究者としての自身の体験を振り返りながら、研究しやすい職場環境について意見交換しました。
坂田教授は、
「根強い風土を変えるには、大学全体で取り組む姿勢が重要。男女や立場を問わず巻き込んでみては」
と呼び掛け、参加者はできることから始めようという思いを共有しました。

自身の体験談を織り交ぜて意見交換した茶話会

広報室