2020年01月30日

パラスポーツ普及に一役~義肢装具学専攻学生対象に特別授業実施~

2020年、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックの開催を間近に控える中で、パラスポーツを一過性のものにせず、あらゆる人にパラスポーツの機会が広がることを目指して活動するNPO法人D-SHiPS32代表の上原大祐さんらが来学し、1月14日、学生向けに特別授業を実施しました。

学生とコミュニケーションを図る上原さん(写真左)

上原さんは生まれつきの障害により車椅子生活を送りながら、下半身に障害のある人が行えるアイススレッジホッケーに挑戦し、2010年のバンクーバーパラリンピックで銀メダルの獲得に貢献しました。今は、自分がスポーツを通して生きがいを得たように、多くの障害者にスポーツの楽しさを知ってもらおうと活動を行っています。
上原さんは、スポーツを始めるうえで欠かせない各種用具をレンタル可能にし、誰でも気軽に楽しめる仕組み作りに取り組んでいます。これには、レンタルする用具の定期的なメンテナンスが欠かせないため、上原さんは日本義肢装具士協会に協力を打診。同協会からの要請に真っ先に手を挙げたのが、本学の義肢装具学専攻でした。

特別授業には、公共施設や病院・福祉施設などの車椅子をメンテナンスする団体「ROW」とパラスポーツの普及・啓発に取り組む課外活動団体「アダプテッドスポーツクラブ(ASC)同好会準備会」のメンバーで同専攻の学生が参加。上原さんからの構想説明後、パラリンピックの修理センターで活躍する総合医療福祉機器メーカーのオットーボック・ジャパン株式会社の中島浩貴さんから、競技用車椅子をメンテナンスするポイントについてレクチャーがありました。「外国の方に対応するとき、メンテナンス用具の英語名称を合わせて覚えておくと便利」「タイヤによって適切な空気圧が異なるので、空気を入れる前に確認を」など、学生は実際の競技用車椅子を教材にしながら、具体的なアドバイスを受けることができました。

車椅子の補助キャスターを取り外して解説する中島さん(写真左)

パラスポーツの普及には、車椅子をはじめさまざまな医療・福祉機器に専門知識を持つ義肢装具士の存在が重要になります。本学は西日本唯一の義肢装具士を養成する4年制大学として、パラスポーツの発展に貢献します。

広報室