2012年09月04日

核兵器がなぜなくならないのか-世界の学生とともに考える-

IPPNW(核戦争防止国際医師会議)世界大会が広島国際会議場で開催されました。
本会議は、会員である医師がその立場から核戦争を防止するために努力することを目的に設立された国際的組織です。

大会2日目の8月25日には、国内外の高校生・大学生によるユースサミットが初めて開かれました。
広島県医師会の呼びかけで、
本学からは心理科学部「平和教育」履修者を中心に15人が参加しました。
「核兵器はなぜなくならないのか―広島から考える」をテーマに、
米国やインドなど7人のスピーチを基に、国内外の高校生や大学生たちが討論しました。

グループ討論に参加した高校生・大学生は、96人。
一般参加者を含めると、200人を超える参加がありました。
本学のコミュニケーション心理学科4年西田君・3年坂本君・臨床心理学科2年末長君は、
英語による討論グループに加わりました。

最後の全体討議では、臨床心理学科2年の末永君と田原さんが発言しました。
市民の力で原発を廃止させることができるのかという議論の後、
田原さんは、カザフスタン出身のスピーカー、マディナ・スマイルカノワさんに、
核実験をやめさせたネバダ・セミパラチンスクでの市民運動について質問するなど、
積極的に情報交換を行っていました。

 

参加した学生たちは、
「核戦争防止・核兵器廃絶という共通の目的を持った同年代の若者と意見交換する貴重な体験でした。
自分と近い年齢の世界中の人とそれぞれの意見や考えを述べ、
お互いの理解、そして核に対する知識や脅威を考えさせられる場所でした。
機会があればまた参加したいです。」と感想を述べています。

本学の心理科学部教職課程の選択科目「平和教育」は毎年、
選択科目にもかかわらず100人を超える履修者があり、学生の関心の高さがうかがえます。
専任教員(感性デザイン学教育研究室 青木 研・臨床心理学科 橋本 学・コミュニケーション心理学科 中村 朋子)による講義のほか、
学外講師も招き広島発信の平和学を講義しています。
さらにこの講座は広島市から「広島・長崎講座」に認定されています。

「広島・長崎講座」について詳しくはこちら↓
http://www.mayorsforpeace.org/hnpc/ja/hnpc_top.htm

本学では今後も、国際平和都市『広島』だからこそ発信できる平和学を、
関心のある学生に教授していくとともに、
今回のような機会があればぜひ学生の参加を呼び掛けたいと考えています。

心理科学部 コミュニケーション心理学科 教授 中村 朋子(「平和教育」コーディネーター)