2013年02月19日
「ε-δ論法って何?」~工学部にて公開講座 数学のひろがり24を開催~
2月9日(土)、公開講座咲楽塾「第24回 数学のひろがり」を開講しました。
高校生や一般の皆さんの参加がありました。
演題の「ε-δ論法って何?」は、数列の収束の定義や証明の論理展開の話で、
少し抽象的でしたが、参加者のみなさんが最後まで熱心に聴いてくださったのが印象的でした。
「直感的に思うことを大切にしてきたが、それが問題であることを考えようとした人々に感心した」
「論理展開の大切さを実感した」「学生時代を思い出して懐かしかった」
という感想をいただきました。
今回は、「ε-δ論法」に到る歴史を古代ギリシア時代に遡って紹介しながら、
「現象を表現する言葉は、十分であるとは限らない(だから、研究があり、文学もあると思う)」
「利用者は計算できれば十分かもしれないが、開発者には確認と説明のために証明が求められる」と、
収束の定義の厳密さを高める必要性をお話ししました。
「ε-δ論法」は簡単ではないので、課題を明確にすることに重きをおいて、
手法や成果を自然に感じられるように工夫しました。
公開講座「数学のひろがり」は来年度も開催予定です。
みなさま、是非ご参加ください。
【追伸】
講座ではお話ししなかったのですが、論理の精度を高めるのは、
「基礎の精度に応じた成果しか得られない」ことを研究者は知っているという理由もありますね。
野球選手が素振りの音に拘るとか、将棋の棋士が序盤から読むという感覚に似ていると思います。
広島国際大学 工学部事務室