2013年10月09日

薬学科神田教授の薬用植物園にかける思いとは…?

薬用植物園は、現在薬学科の授業の中で利用している大学の附属施設です。
そこに並々ならぬ情熱を注いでいるのが、薬学科の神田(こうだ)教授です。
教授は、今年の4月から本学に着任して以来、薬用植物園の整備充実に尽力されています。
観察会を開いてこの植物園を広く一般の皆さんにも公開している様子は、
新聞にも多く取り上げられています。

「大学の附属施設というとどこか固いイメージがあって、
学外の一般の皆さんからするとどこか近寄りがたいかもしれません。
だからこそ、薬用植物園を一般の皆さんも気軽に立ち寄れるような親しみやすい場所にし、
地域と大学の交流の場にしたいと思います。
医療系総合大学の特色を生かして、地域の方々に対して開かれた場所を提供することにより、
地域と大学を繋ぐ機会をつくることは、大学人としての使命です。」

そう話す神田教授は、朝夕と植物園に欠かさず足を運び、自らの手で植物達の世話をしています。

将来的には、2014年度開設予定の医療栄養学科にかけた「食育ゾーン」や「健康増進ゾーン」等の区域に分けた上で、
地域の方々に休息や癒しの場として利用していただける滞在型の施設にしていきたい。
病人が病気を治すというだけでなく、健康な人がいかに病気をしないようにするかをテーマに、
多くの方々に親しまれる場所にしていきたいと、今後のビジョンを話してくださいました。

 
↑ 呉キャンパス薬用植物園の様子

神田教授は漢方医学の専門家であり、
薬用植物園は「生薬学」・「漢方学」等の教育に欠かせない生きた植物の標本園となっています。
漢方医療が大学の講義の中に組み込まれるほどに一般化してきた今、
教授は漢方医療と西洋医療の併用が現代医療の理想の形であるといいます。

今なぜ漢方医学なのでしょうか。その要因は、漢方医学における以下のような考えにあります。
①病を全身のバランスのヒズミととらえ、単一的でなく全身的・総合的に診療する。
②症状は十人十色であり、改善するには症状を訴える人、一人ひとりをよく観察し、
集団的、画一的治療でなくその人に合わせた個々的治療をする。
③また抵抗力が低下している患者に対して温め補う治療や、
病名や原因がはっきりしない不定愁訴、更年期障害、冷え症などの疾患に対して力を発揮する。
④「上工は未病を治す」と言って、はっきりとした異常が出ないまでも、
その前段階「病気とはいえないが、健康ともいえない状態」を未病としてとらえ、
その状態を改善し、病気にならないようにする。

という考え方などがあります。
神田教授は、こうした漢方的理念に共感し、これからの社会にはこの理念が必要になってくると考え、
漢方の専門家としての道にすすみました。

「健康な人がいかに病気を予防するか」、
「大学人としてのみならず、地域のかかりつけ食薬師でありたい」が、
神田教授の活動や教育方針の核でもあります。
その考え方が、人々のセルフメディケーション、
パワーリハビリテーションの場を作りたいという今後の薬用植物園のビジョンにも現れていますね!


↑ 薬学科 神田教授

なお、本学呉キャンパスでは、10月から3月まで毎月健康をテーマにした講座を開催し、
薬用植物園で神田教授が薬草の栽培や使い方をレクチャーします。
健康に関する関心の高い方、神田教授の考えに共感された方。
本学の薬用植物園に足を運んで、教授の話に耳を傾けてみませんか?

申し込み方法等の詳細は以下をご覧下さい。
http://www.hirokoku-u.ac.jp/information/2013/12492/12637.html

広島国際大学 企画課