2013年11月29日

フェルマーの小定理を分かりやすく解説-数学のひろがり26開催-

11月16日(土)、公開講座咲楽塾「数学のひろがり26 フェルマーの小定理の世界」を開催しました。
約20名の方がご参加くださいました。熱心に聞いて下さる様子と、講演後の温かい拍手が印象的でした。

フェルマー(1601-65)は、整数論をはじめ、座標幾何学、確率論、
光学の多岐にわたり先駆的な業績を上げた数学者です。
「私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる」と書き残し、
1995年にワイルスによって解決した「最終定理」でご存知の方も多いと思います。

小定理は、代数的整数論や群論の基礎になる命題ですが、やや抽象的です。
そこで、フェルマー周辺の数学的な時代背景を振り返り、着眼点が先駆的であることを紹介しました。
また、素数判定や暗号への応用を通じて、小定理の意義を感じてもらうよう工夫しました。

アンケートでは、「楽しく学習できた」「書物では得られない全体像がわかった」
「数学の世界を概観したくなった」というご感想や、
「(フェルマー周辺の)数学史もあって、興味深い講座だった」
「余りを簡単に求める方法(合同式)が興味深かった」
「小定理の証明が初めてだったので、興味深かった」
「(公開鍵暗号の)暗号化・復号化の具体例がよかった」などのご感想、そして、
「数式を使わないで、数学の体系や風景(着眼点、考え方、とらえかた)を表現した本があればいい」
というアイディアをいただきました。

次回は、2月15日(土)「ルービックキューブの世界」を開講する予定です。
みなさん、是非、ご参加ください。

広島国際大学 住環境デザイン学科教授 西来路文朗