2014年10月09日

「鎌田俊三・げんきなこジョイントコンサート」~前へ、前へ、前へ パーキンソングをうたいながら~【後編】

8月30日(日)、呉キャンパスにて、
第19回日本難病看護学会学術集会(会長:秋山智看護学科長)のプログラムの一つ、
「鎌田俊三・げんきなこ・ジョイントコンサート」が開催されました。
私、軽音楽部部長・釜野真也もリハーサルに引き続き、
音響スタッフとして参加させて頂きました。
心地よい音楽が、出演者と、会場に来られた方とを1つに繋ぎ、
かつてない感動を味わうことができました。

午前10時過ぎ、学校へ到着された出演者の皆様の機材を会場まで運び、準備が始まります。
出演者の皆様は、リハーサルでお会いしたときより、
どことなく、緊張している様子がうかがえます。
そして何より、本日のコンサートに対する想い、熱意を、
間近に感じることができました。
自分も精一杯サポートに努めようと、考えていました。

12時頃、会場の照明が落とされた中、いよいよコンサートが始まります。

まずは、「げんきなこ」のお二人が登場。
『似顔絵ラブレター』『初雪』『サイゴの夢』。

心が洗われるように透き通ったきなこさんのボーカル、げんきさんのストレートな歌声が、
会場をやさしく包み込みます。

 

そして、『愛になれる』。
この曲では、出演者の皆様からのご提案で、
スタッフ全員がステージへ上がり、
一緒にうちわを振るというパフォーマンスがありました。
実際に私もステージでパフォーマンスをさせて頂きましたが、
その時の感動は今でも忘れることができません。

なんと、コンサートを観に会場に来られていたほとんどの方が、
席から同じようにうちわを振って、応えてくれていたのです。
この瞬間、会場にいた人は「出演者」「スタッフ」「お客さん」という関係を越えて
「1つの音楽を共有しあえた仲間」になれたと感じています。

鎌田さんを迎えた『きみがいた』の後、
鎌田さん、種市さんへバトンタッチし、演奏は続きます。

『パーキンソング組曲~ヤール3の場合』、
げんきなこのお二人も再びステージへ立ち、
そして最後の曲、『パーキンソング』。

ここでは、うちわだけではなく、なんと歌を一緒に歌わせていただきました。
ステージの上にはスタッフが集まり、合唱コンサートのような舞台です。
このまま時間の許す限り、この心地よい音楽を歌っていたいと、
心の底から感じていました。

あっという間に本番は終了してしまいました。

片付けの中、出演者の皆様にはたくさん感謝の言葉を頂き、
中でも鎌田さんから、目を潤ませながら
「このようなすばらしい機会を、本当にありがとう」とお言葉を頂いたことが、
特に印象に残っています。
こちらこそ、ありがとうございました。

曲の合間に、げんきさんはこんなMC(曲間のトーク)をされていました。

「この病気を患って、たくさん苦しい思いをしました。
でも、良かったと思うこともあります。
それは、こうやって音楽活動をしていくことで、
たくさんの人と関わりを持つことができるということです。
もし自分が健康だったら、きっと体験することができませんでした。」

私は、この日まで音楽が人を繋いでいくという感覚を味わったことがありませんでした。
ただ音楽とは演奏し、聴くもので、
この日のように出演者、観客、スタッフという関係を超えることは難しいと考えていました。

今回、げんきさんのMCを聴き、そして同じステージに立った時、
それは間違いだったと確信できました。
この日、音楽は確かに人の心を繋いでいったのです。

鎌田さんや、げんきなこのお二人から
「スタッフにも一緒にパフォーマンスを!」とリクエストを頂いたのは、
この感動を味わう大切さを、
きっとご本人達が一番知っていらっしゃるからなんだと感じました。

素敵なご提案、本当にありがとうございました。

イベントを振り返ってみると、最初はどうなるかと思う事態もありました。
しかし、それらを乗り越えたうえ、様々な人と出会い、
自分にとっての音楽の価値観を見直し成長できる、
とても良い機会になったと感じています。

秋山学科長をはじめ学会の皆様、看護学科の先生方、出演者の皆様、
呉軽音楽部の皆様、西来路先生、尾田君、スタッフの皆様、
この度はこのような良い機会をありがとうございました。

呉軽音楽部 部長 釜野真也