2015年03月05日

ジェネリック医薬品の普及に必要な品質評価の在り方~「レギュラトリーサイエンス講演会」で薬学部長田教授が説く~

2015年2月21日(土)14:00~18:00、
呉キャンパス6号館の6301教室にて、
「レギュラトリーサイエンス講演会」を開催しました。
当日は有識者や一般の方、本学教職員など約100名の参加者があり、
参加された方々は熱心に耳を傾けていらっしゃいました。

多くの皆様にご参加いただきました

レギュラトリーサイエンスとは、品質評価事業を指します。
科学的な実証を基にした規制を行うことで、
品質を評価、保証する方法です。
呉市は、各自治体に先駆けてジェネリック医薬品(後発医薬品)の普及を促進しており、
本学薬学部の長田俊治教授と共同で立ち上げた「呉レギュラトリーサイエンス研究会」で、
ジェネリック医薬品にかかるレギュラトリーサイエンスを進めています。

ジェネリック医薬品のメリットは、何といっても安価であるということ。
厚生労働省も普及を推進していますが、
新薬と比べて安全性を考慮し、二の足を踏む人が多いのも現状です。
講演会で長田教授は、呉レギュラトリーサイエンスが実施した、
ジェネリック医薬品に関する意識調査について説明しました。

講演する長田教授

安全性・使用時の違和感などを、新薬と比較した調査の結果、
新薬であるかジェネリック医薬品であるかによって、
大きく差は出ない、という結果が表れていました。
ジェネリック医薬品に関しては、もはや品質の担保は当然で、
使用時の違和感など、より詳細な観点での評価が求められる段階になってきた、とのことでした。

また、長田教授は、
「現場の薬剤師の立場からすれば、
何のメリットもないのに、ジェネリック医薬品に切り替える必要はないのだろうが、
特許が切れた分野への参入は、ごく自然なこと。
ジェネリック医薬品を扱う会社がなければ、
新薬の高価格により、利用者は高い負担を強いられていく。
利用者に選択の機会を与える意味でも、
国も推進するジェネリック医薬品の普及を、もっとスムーズに進めるべきではないか。」
と提言されました。

呉市の高齢化率は、全国にある人口15万人以上の都市で最も高い状況です。
ただし、介護認定率は全国平均よりも低く、
病床数や大規模病院数が多いなど、医療環境が整っています。
いわば医療先進都市である呉市にキャンパスを構える大学として、
今後も医療の発展に寄与してまいります。

入試センター 広報係

ジェネリック医薬品とは・・・
新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に製造販売される、
新薬と同一の有効成分を同一量含み、
同一の効能・効果を持つ医薬品のことです。