医療栄養学科

スポーツのパフォーマンスと栄養の関係性とは

スポーツ栄養士は管理栄養士の資格がないとなれませんから、プラスアルファの資格です。もちろん仕事の中身は重なる部分も多いですが、簡単?に言うと、管理栄養士の仕事は病気の予防や病気からの回復に重点がありますが、スポーツ栄養士の仕事は、スポーツ選手だけでなく、活動量の多い全ての人々をより健康に、元気にする仕事だと言えます。

どんなスポーツ競技でも共通して大切なことは、栄養バランスが良い食事を継続して摂取することです。主食(エネルギー源である糖質を多く含む)、主菜(体をつくるたんぱく質を多く含む)、副菜(体の調子を整えるビタミン・ミネラルを多く含む)など、体の中に入ってからの役割が違います。 アスリートであれば果物や乳製品も毎食摂った方がいいです。例えば、体を動かすエネルギー源は糖質ですが、糖質をエネルギーに変えるためには、他のビタミンなどの栄養素も必要です。 つまり栄養素もチームプレイですので、食事はバランスが大切ということです。

そのうえで競技ごとや選手ごとに重視される栄養素が異なるのはもちろんです。例えば、長距離選手と短距離選手では求められる体格が違います。マラソンなどでは長時間の体重移動が激しく、体重は軽い方が有利です。エネルギー消費量が多いため、糖質を供給するごはんなどの主食を意識したいです。一方、短距離選手はしっかりした筋肉が求められますから、体をつくるたんぱく質が摂れる肉や魚、卵、大豆などの主菜を意識したいです。 また試合が近づくと、開始時刻・強度・継続時間等に合わせた栄養戦略も重要です。選手一人ひとりの体質に合わせた栄養サポートを実施し、ベストパフォーマンスに貢献します。

将来、スポーツ栄養士を目指す学生へ

管理栄養士にはコミュニケーション能力が求められるので、様々な人と接する機会をつくってみましょう。また、選手に提案する食の選択肢を増やすために、知識やスキルを増やすことも大切です。自分自身の食事内容を改善してみることも一つの方法です。また、本学では広島ドラゴンフライズやマツダスカイアクティブズ広島といったプロスポーツチームに所属するトップアスリートを食の力でサポートする取り組みも行っています。 +αの学びもぜひ深め、様々な場所で活躍する管理栄養士を目指してほしいと思います。

梶井 里恵(かじい りえ)

広島国際大学 健康科学部 医療栄養学科 講師
学位・資格:修士(臨床栄養学)・管理栄養士、公認スポーツ栄養士、健康運動指導士
専門分野:スポーツ栄養学
キーワード:栄養サポート、競技スポーツ、健康増進
研究テーマ:
1)栄養介入と競技パフォーマンスに関する研究
2)健康の保持増進のための運動と栄養に関する研究
所属学会:日本栄養士会、日本スポーツ栄養学会、日本栄養改善学会、日本体力医学会

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