救急救命士は、生命が危険な状態にある傷病者が病院に搬送されるまでの間、気道の確保や心拍の回復などを行う救急救命処置の専門家です。突然の病気や事故・災害などのケガは初期治療が早ければ早いほど生存率も向上すると言われており、こうした救急救命処置で二次障害発生の危険性も低減します。的確な判断と最善の処置ができる救急救命士の高度な業務は、社会貢献度の高い仕事です。
救急車1台あたり救急隊員を3人以上配置することが法律で定められており、救急救命士は、人工呼吸や胸骨圧迫心臓マッサージなどに加え、呼吸停止や心肺停止状態の人へ気管挿管など器具による気道確保や薬剤投与などの高度な蘇生処置、さらに重度傷病者が心停止に陥らないよう輸液やブドウ糖溶液の投与の救急救命処置が行えます。救命率の向上を図るため、総務省消防庁では、全ての救急隊の中に「救急救命士」が常時1人以上含まれる体制を目標にしています。また、2021年の救急救命士法の改正により、病院の救急初療室での救急救命処置が認められ、さらに医療の一員として救急救命士の必要性が高まっています。
高齢化社会や核家族化が進み、家族が車で急病人を運べないという社会構造のなか、全国の救急車の出動回数は年々増加し、救急現場から病院収容までの時間も遅延しており、救急現場での救急救命処置の重要性は高まっています。また、病院の救急初療室での救急救命処置が実施可能となったことから、救急救命士のニーズは年々高まっています。さらに、救急救命処置範囲の拡大により、心肺停止傷病者だけでなく、心肺停止に陥るまでの間の処置が必要となり、今まで以上に医学に対する知識や技術が必要となっています。
急病人やけが人を病院に搬送しながら病院外治療を行うスペシャリストです。
本学合格率(新卒)99.3%
全国平均 95.4%