話す、聴く、食べることの専門家をめざす。
当専攻は、リハビリテーションを必要とする人々を支えるという仕事に従事する「責任」と「誇り」を持って、言語聴覚療法の発展に尽くし、広く社会に貢献できる人材を養成していきます。
言語聴覚士の国家資格取得を目指した教育課程を編成し、「少子高齢社会にも対応する多様なリハビリテーション技術(高齢者や障がい者の機能回復や、生活の自立及び社会参加を支援できる高度専門技術)を総合的に提供でき、すべての人々の健康と生活の質の向上を目的として、予防から治療までの幅広い専門知識と技術に裏打ちされた問題解決能力及び豊かな人間性を養った専門職業人として、社会に貢献できる人材の養成」を教育研究の目的としています。
リハビリテーション学科 言語聴覚療法学専攻 トピックス一覧
食べ物の飲み込みや言葉、聞こえなどの悩みに無料で応じる東広島キャンパスに「言語聴覚健康センター」開設
言語聴覚士の仕事は、リハビリテーション関連職のなかでも比較的新しい分野です。主な役割は、人のコミュニケーション行動に障がいのある小児から成人、高齢者に対して、言語聴覚改善のための支援を行います。また、口腔から喉頭機能についての専門的知識を活かし、飲み込みの障がい(摂食・嚥下障害)がある方も支えていきます。人に寄り添う仕事であるため、深い専門的知識と高い臨床的技量を養うことはもちろん、豊かな人間性を備えることが大切です。
言語聴覚士は、「話すこと」「聴くこと」「食べること」に問題や悩みを抱えた方に対して、原因を探り改善していく専門職です。私たちの国では、1999年に第1回目の言語聴覚士の国家試験が行われ、以後、高齢化社会の進展とともにますますニーズが高まっています。活躍の場所としては、医療機関が多く、次いで老人保健施設などがあります。
日本言語聴覚士協会調べ(2013年3月末日現在、国家試験合格者数:累計2万1994人)
大学の授業には2つの形態があります。授業を聞いて知識を得る「講義」と、講義で学んだ知識を応用して使いこなせるようにする「演習」です。
本専攻では、入学後すぐに解剖学や脳神経学などの基礎医学系の講義を受けます。これらの基礎知識をもとに、年次があがるにつれて言語聴覚療法学専門科目の講義を受けます。
さらに、学外の病院や施設での「実習」があります。これまでに学んだことがどのように臨床の実際につながるのかを実践的に学びます。
本専攻の演習は、対象者の方の状態を把握するための各種検査、機器の使用、教材・教具の試作や具体的な指導法の検討など臨床現場で役立つものになっています。
大学内で学ぶことができない臨床的な実践力を身につけるための授業が学外臨床実習です。広島県内の協力施設を中心に実習を行っています。
臨床実習教育は、言語聴覚士として医療・福祉・保健領域などで求められるあらゆるニーズに対応できる人材の育成を目的としています。学内で学習した知識・技術・資質を臨床場面において再確認し、指導理論を臨床に結びつける重要な場面(機会)であり、下記の点を重視しています。
臨床実習Ⅰでは、言語聴覚障害児・者の臨床の実際を体験し、医療関連専門職としての自覚及び倫理観を育成することが目標となります。実習では医療施設、介護老人保健施設を訪れ、自分が将来目指している言語聴覚士の姿やリハビリテーションを行っている対象者に接し、言語聴覚士としてのやりがいや使命感、責任を感じ取ります。
臨床実習Ⅱでは、授業で学習してきた検査方法を用いて評価を行い、問題点を抽出する能力を養います。実習目標は、適切な言葉使いや態度をもって対象者に接することができること、基本的な検査・評価を対象者に実施できること、実施した検査・評価から問題点を抽出し、適切な指導計画が立てられることです。
臨床実習Ⅲでは、対象者に応じた評価、指導プログラムの作成、基本的な言語聴覚療法を実施できる能力を養います。実習目標は、対象者に応じた検査と評価を適切に行い、問題点を把握して適切な指導プログラムを立案できること、対象者に応じた基本的な言語聴覚療法を実施できることです。また、対象者の状態の進展に応じて、指導プログラムを修正ないし展開できることです。
上級生の実行委員メンバーが企画・司会、進行を担当し、新入生との交流会を開催します。自己紹介やゲームをして学生同士の親睦と交流を深めます。
本学では年に複数回のオープンキャンパスが開催されます。学生は授業で学んだことを活かし、ボランティアとして施設見学や言語聴覚療法体験コーナーのお手伝いをします。
チュートリアルごとにそれぞれのテーマで調べたことをまとめてポスター発表をします。リハビリテーション学科の学生と教員の投票によるコンテストがあり、優秀な発表は表彰されます。
言語聴覚士になるにあたって、解剖学、生理学や病理学などの基礎医学(歯学を含む)も学ぶ必要があります。授業で学んだことをまとめ、オリジナルの学習ノートを作って試験に臨みます。
オープンキャンパスの体験コーナーでは、ことばや聞こえ、飲み込みに障がいのある方の機能回復や発達促進に用いる機器や支援方法の一部を体験できるようになっています。
学科・専攻や学年の枠を越えた学生同士の交流の場になります。また部活動やサークル活動をしている人にとっては日頃の成果を発揮する場になります。地域の方も参加されます。
大学の創立記念日に総合リハビリテーション学部のスポーツ大会が行われています。種目はバレーボール、ソフトボールとサッカーがあります。チームを組んで参加しましょう。
2年生から学外の病院や施設での臨床実習が始まります。実習前に指導をしてくださる先生方にお越しいただいて打ち合わせをします。
前期試験での経験を活かして、自分に合った学習の仕方がわかるようになってきます。日頃の積み重ねがどれほど大切かを改めて痛感します。
大学生活の中心はもちろん勉学であり、学生は言語聴覚士になるべく、講義と演習の課題、予習、復習、試験に取り組む忙しい毎日を送っています。しかし、大学は勉学だけをする場ではありません。学生時代ならではの様々な体験やともに過ごす仲間の存在はかけがえのないものです。頼もしい先輩たちが新入生の皆さんをお待ちしています。
2012年に放送されたNHKドラマ「はつ恋」を知っていますか?
言語聴覚士役で木村佳乃さん、脳出血の後遺症により失語症になった世界的な外科医師役で伊原剛志さんなどが好演されています。
また、「伝える 支える 心をつなぐ プロフェッショナル!」という言葉は、ドラマ「はつ恋」を紹介した書籍「プロフェッショナル!言語聴覚士の仕事」(監修:一般財団法人日本言語聴覚士協会、三輪書店、2012年)の表題の一部です。
ページをめくると、仕事のイメージや障がいのある方のことを身近に思い描くことができると思います。機会があればぜひチェックしてみてください。
そして、豊かに「生きる」ための支援を必要としている方に自分の力を生かすことができる、強くて優しいプロフェッショナルの言語聴覚士を目指しましょう。
2013年度入学 第1期生 祖母井 美咲
私の夢は、言語聴覚士になることです。
でも中学生のときまでは、今とは違う職業に就きたいと思っていました。
ところが、高校生になったときに祖父が脳梗塞で倒れ、病院にお見舞いに行く度に、医療に携わる多くの方を見ました。祖父のリハビリを支援する言語聴覚士や作業療法士の方を見て、私も医療職で人の役に立ちたいという想いが溢れてきました。
どの職業を選ぶにしても、それなりの覚悟が必要だと思います。特に医療職は半端な気持ちではできません。
私は、患者さんと関わっていく上で、命を預かっているということを忘れないようにしたいです。そして、「リハビリをしてくれる人が、あなたでよかった!」と、言ってもらえるような言語聴覚士になりたいです。