教員という生き方

PASSIONATE LIFE

VOL.1

海外での経験と、今の自分のすべてを学生たちに見せていきたい。

義肢装具士
(総合リハビリテーション学部 リハビリテーション学科 義肢装具学専攻 助教)
森永 浩介

真の義肢装具士とは?
その答えは、海外での経験の中にありました。

 

学生時代恩師からの「海外の義肢装具士はまるで臨床医だったよ」という体験談を聞いて、同じ世界が見たくなり、21歳の時にオーストラリアのラトローブ大学へ留学。

現地の医療現場では、切断患者さんについてドクターが義肢装具士に意見を求め、その意見を参考に看護師や理学療法士達が一丸で患者さんを支えるという互いをプロとして認め合う環境が確立していました。

また多人種の人々が暮らすため、祖国の歴史、文化、戦争、宗教、人種問題などの配慮も欠かせません。
患者さんの心をケアし、その人が持つ価値観や想いを汲み取り、また、ライフプランまで考慮する義肢装具士の姿はとても印象的でした。

真の義肢装具士は、「単に職人であってはいけない。」日本に戻ってもオーストラリアで学んだ姿勢と心構えを持ち続けていくと、胸に刻みました。


義肢装具士は義足や義手だけではなく、歩くための装具や靴なども作る専門家です。
私は今、根拠に基づいた精密なインソールの開発に取り組んでいます。

工学分野の先生と協力しながら、実験を重ね、数値化するといった試行錯誤の日々を送っています。これまで、製作する側と使用する患者さん側の感覚的なものに頼って製作され、的確なデータなどの指標から作られるものが少なかったインソール。体のことがわかる義肢装具士だからこそ、そこに開発の可能性があると感じました。

近年海外では、足をレーザースキャンし、コンピューター解析するといったテクノロジーを駆使した義肢装具の開発が進んでいます。再現性の高い義肢装具の製作、患者さんの正確な経年変化の確認等、義肢装具技術は進化しています。
今後の日本のリハビリ分野の大きな課題は、いかに工学と結び付けるかだと思います。


学生たちには、常に広い視野を持ち、工学の知識を養い、新しいことに挑んで欲しいです。
私も開発の中で、悩んだり、つまずいたりすることもあります。
全てを学生たちにさらけ出して、学生たちを刺激していきたいです。
これまでの固定概念を壊し、共に新しい未来を創っていきたいと考えています。

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