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2026.10.16

西岡優志さん(博士後期課程,松浦研究室)らの論文が「Behavioural Brain Research」に掲載されました。

タイトル:Cortical dynamics associated with adaptive increases in clearance after obstacle contact

 

掲載誌:Behavioural Brain Research

 

著者:Yuji Nishioka, Ryusei Ito, Senki Yagi, Minori Kawabe, Akihiro Matsuura

 

論文概要:

転倒の34~53%は、歩行中に障害物につまずくことによって生じることが報告されており,健常者であっても稀に障害物との接触が生じます。障害物との接触後には,鉛直クリアランスが増大し,その変化が一定期間持続することが報告されています。これは,再接触を回避するための適応的な運動戦略であると考えられています。しかしながら,このような適応的な運動戦略を支える中枢神経系の制御機構は,十分に明らかにされていません。本研究は,健常若年成人を対象に障害物跨ぎ歩行課題を実施し,障害物接触前後の各30試行における鉛直クリアランスと大脳皮質活動の変化を検討しました。鉛直クリアランスは,先行脚,後続脚それぞれで算出しました。大脳皮質活動は,障害物に接近する時期(approach期),先行脚(lead期),および後続脚が障害物をまたぐ時期(trail期)に分類し,前頭皮質のθ帯域および運動皮質のβ帯域の脳波パワーを算出しました。その結果,障害物との接触はすべての被験者で後続脚のみに生じましたが,接触後には先行脚と後続脚のいずれにおいても鉛直クリアランスが有意に増大しました。また,障害物接触後は,approach期において前頭皮質のθパワーが有意に増大し,lead期において,運動皮質のβパワーが有意に低下しました。これらの結果から、障害物接触後の鉛直クリアランスの適応的な増大には、前頭皮質および運動皮質の活動変化が関与する可能性が示唆されました。本研究の成果は,ヒトの転倒回避に関連する神経制御機構の理解を深める重要な知見であると考えられます。

 

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