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題目タイトル:
Effects of joint immobilization and treadmill exercise on marrow adipose tissue and trabecular bone after anterior cruciate ligament reconstruction in the rat proximal tibial epiphysis(前十字靭帯再建術後の関節固定とトレッドミル運動がラット脛骨近位部の骨髄脂肪組織と海綿骨に及ぼす影響)
掲載紙:Acta Histochemica
著者:Akinori Kaneguchi, Kaoru Yamaoka, Junya Ozawa
論文の概要:
骨髄脂肪組織は骨代謝に悪影響を及ぼすと考えられており、膝前十字靭帯(以下、ACL)再建後に脛骨近位部で増加することが報告されています。メカニカルストレスは骨髄脂肪組織量や骨代謝の制御において重要な役割を担うと考えられていますが、術後のリハビリテーションプロトコルの違いが骨髄脂肪組織や骨に及ぼす影響はよく分かっていません。そこで本研究では、ACL再建後の関節固定とトレッドミル運動が骨髄脂肪組織と海綿骨に及ぼす影響を明らかにすることを目的としました。ラットの片側の膝にACL再建術を行い、術後は介入なし、膝関節固定、もしくはトレッドミル運動(60分/日、6日/週)のいずれかの条件で飼育しました。術後2週または4週で、脛骨近位部の骨髄脂肪組織と海綿骨を組織学的に評価しました。ACL再建後に介入なしで飼育すると、4週までに海綿骨と骨髄脂肪組織の量に有意な変化はありませんでした。一方で、ACL再建後の関節固定は、4週までに骨髄脂肪組織の増加と海綿骨の減少を引き起こしました。トレッドミル運動は、介入なしと比較して骨髄脂肪組織や海綿骨に影響を及ぼしませんでした。また、骨髄脂肪組織量と海綿骨量の間には中等度の負の相関がみられました。これらの結果は、ACL再建後の関節固定は骨髄脂肪組織の増加を介して海綿骨を減少させることを示唆します。そのため、骨髄脂肪組織の増加や海綿骨の減少を最小限にするためには、術後の関節固定は必要最小限にすべきと考えられます。