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タイトル:Long-term observation of marrow adipose tissue and trabecular bone in the rat proximal tibial epiphysis after anterior cruciate ligament reconstruction: effects of immobilization and non-weightbearing
(前十字靭帯再建術後のラット脛骨近位部における骨髄脂肪組織と海綿骨の長期的観察:固定と免荷の影響)
掲載紙:Biotechnic & Histochemistry
著者:Akinori Kaneguchi, Kaoru Yamaoka, Junya Ozawa
論文の概要:我々はこれまでに、膝前十字靭帯再建後の免荷や固定は骨髄脂肪組織の増加を促進することを明らかにしました。臨床場面では免荷と固定を併用することがしばしばありますが、これらの併用が骨髄脂肪組織の増加を相加的に促進するかどうかは知られていません。また、免荷や固定により増加した骨髄脂肪組織は、再荷重や再可動化後に回復するのかどうかは知られていません。そこで本研究では、1)免荷と固定の併用が骨髄脂肪組織に及ぼす影響を明らかにすること、2)短期間の免荷もしくは固定後の長期間の再荷重もしくは再可動化が骨髄脂肪組織に及ぼす影響を明らかにすることを目的としました。前十字靭帯再建術を受けたラットを介入なし、免荷、固定もしくは免荷+固定のいずれかで2週間飼育し、その後全てのラットを介入なしで10週間飼育しました。実験期間終了後、脛骨近位部の骨髄脂肪組織と海綿骨量を組織学的に評価しました。2週間の免荷もしくは固定は骨髄脂肪組織を増加させましたが、免荷と固定の併用による相加効果はみられませんでした。2週間の免荷もしくは固定による骨髄脂肪組織の増加は再荷重もしくは再可動化により回復しませんでした。免荷や固定による骨髄脂肪組織の増加は海綿骨量に影響しませんでした。我々の結果は、短期間の免荷や固定による骨髄脂肪組織への悪影響は、再荷重や再可動化後も長期間持続することを示唆します。