Topics
【内容】
論文名:Shoulder kinematics and muscle synergy during multi-plane humeral elevation and lowering
Journal of Biomechanics
著者:Masahiro Kuniki, Hikaru Yokoyama, Rei Konishi, Yoshitaka Iwamoto, Daiki Yamagiwa, Daisuke Kuwahara, Tsuzumi Morine, Nobuhiro Kito
【研究の概要】
肩関節の運動学と神経筋活動は、上肢の挙上平面(矢状面、肩甲骨面、前額面挙上)によって異なる。
しかし、肩関節の運動学的制御において重要な役割を果たす筋の協調性(筋シナジー)が、挙上平面によってどのように異なるのかは不明である。
本研究では、肩関節の運動制御の基礎となる神経筋メカニズムをより深く理解するために、異なる挙上平面の間で肩関節の運動学、筋シナジー、
神経筋活動量を比較した。上腕骨の挙上角度は矢状面の挙上で最も大きく、前額面挙上課題で最も小さかった。これらの挙上平面における運動学的な
違いは、抽出された2つの筋シナジーのうちの1つ、特に上腕骨頭の安定化に寄与すると考えられる筋シナジーの挙上初期段階での活動レベル、および
三角筋前部線維の神経筋活動量に起因することが示唆された。3つの挙上平面における肩甲骨運動の違いは、筋シナジーの違いでは説明できず、
主に僧帽筋上部、中部、下部線維の神経筋活動量の違いから生じることが示唆された。この結果は、肩の運動学は、筋シナジーの活性化パターンと
個々の筋の神経筋活動量を微妙に変化させることによって制御されていることを示唆している。