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タイトル:Histological changes in skeletal muscle induced by heart failure in human patients and animal models: a scoping review(心不全患者や動物モデルで生じる骨格筋の組織学的変化:スコーピングレビュー)
掲載紙:Acta Histochemica
著者:Akinori Kaneguchi, Naoyoshi Sakitani, Takuya Umehara
論文の概要:心不全患者では心臓だけでなく、骨格筋でも様々な組織学的変化が生じ、筋機能障害につながることが知られています。このスコーピングレビューでは、これまでに報告されている心不全後の骨格筋の組織学的変化を網羅的に調査し、特徴づけることを目的としました。様々なデータベースを使用して論文を検索し、スクリーニングを行いました。その結果、33のヒト研究および85の動物研究を含む合計118の論文が選択されました。これらの論文では、以下のような傾向が報告されていました:速筋化、筋線維サイズの減少、毛細血管/筋線維比の減少、ミトコンドリア活性と量の減少、アポトーシスの増加。これらの組織学的変化は、心不全患者で観察される易疲労性や筋力低下に寄与している可能性があります。ヒトと動物の研究結果の間には、いくらかの相違がみられましたが、全体的には似たような傾向でした。そのため、心不全の動物モデルは、ヒトの患者で起こる骨格筋の組織学的変化を調査するために有用と考えられます。組織学的解析の対象となった筋は、ヒトではほとんどが大腿部の筋であり、動物ではほとんどが下腿部の筋でした。下肢の筋でみられるような変化が上肢の筋でも起こるかどうかは今のところよく分かっていません。
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