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タイトル:Functional, Histological, and Molecular Adaptations of Forelimb Muscles in a Rat Model of Monocrotaline-Induced Heart Failure(ラットモノクロタリン誘導心不全モデルにおける前肢筋の機能的、組織学的、分子的適応)
掲載紙:Histochemistry and Cell Biology
著者:Akinori Kaneguchi, Yuichiro Azuma, Koki Ishinaka, Sakura Sunagawa, Rena Takagi, Takuya Umehara, Kaoru Yamaoka, Junya Ozawa
論文の概要:心不全患者で生じる骨格筋の変化は下肢筋では広く調べられており、速筋化、速筋線維優位な萎縮、毛細血管数減少やコラーゲン量増加などが報告されています。前肢筋の機能障害や筋量減少は心不全患者の予後に影響するにもかかわらず、上肢筋の組織学的変化はよく知られていません。本研究では、ラットモノクロタリン誘導心不全モデルを用いて、上肢(前肢)筋で生じる組織学的変化を調査しました。上腕二頭筋と深指屈筋の両方で速筋線維選択的な萎縮が観察されました。また、毛細血管数の減少は上腕二頭筋のみで生じ、筋線維タイプの変化(速筋化)は深指屈筋のみで生じました。いずれの筋でもコラーゲン量増加はみられませんでした。いくつかの変化は下肢筋で報告されているものと一致していましたが、そうでないものもあり、心不全に対する骨格筋の反応は筋間で一部異なることが示唆されます。そのため、下肢筋で報告されている変化がそのまま上肢の筋にも当てはまるわけではなさそうです。
