学生短期海外研修
学生短期海外研修
総合リハビリテーション学部 リハビリテーション支援学科
3年 檜山 夏希 さん
『タイの義肢装具について学ぶ」
私はSirindhorn School of Prosthetics and Orthotics(SSPO)で1ヵ月間の研修を行い、アジアトップクラスの義肢装具士養成校ではどのような教育が行われているのかを、実際に現地の学生と一緒に授業を受けることによって学ぶことができました。また、日本の義肢装具士について考え直すことができました。
1週間目はネパール、バングラディッシュ、ルアンダ出身の学生と一緒にチュラロンコン大学病院とCEPO(Center of Excellence of Prosthetics and Orthotics)の見学を行いました。彼らは既に義肢装具士として自分の国で働いていたり、養成校の先生であったりと経験があり、年も離れていたため話についていくことがやっとでしたが、国家資格がある国、学歴が重要な国、ISPO(International Society for Prosthetics and Orthotics)が重要な国と各国でPOを取り巻く環境はそれぞれ異なっていることが分かりました。しかし学歴とISPOは世界共通なものであり、特にISPOはとても重要な基準なため、これから先義肢装具士として海外で働くにはISPOのCategory1が必要であると感じました。
2週間目からはSSPOで4年次の学生と一緒に授業に参加し、ショパール離断、足関節離断、膝離断の授業を受けました。広島国際大学では下肢の離断は教科書には載っていても授業は行われていません。今回の研修で各レベルでの離断のメリット・デメリットや製作方法を学びました。ショパール離断では実際に患者さんにモデルになってもらい、採型・製作・仮合わせ・評価を行いました。1週間目に比べて言葉の不自由さも改善していましたが、医療英語が全く分からず、また、解剖学を日本語でも完璧には覚えていなかったため、初めは授業についていけませんでした。しかしたくさんの友達に助けてもらいなんとか義足を完成させることができました。タイで唯一の義肢装具士養成校でありISPOのCategory1でもあるためか、学生がとても積極的で、授業中も質問や意見がたくさんでており、授業がとても刺激的でした。学生のレベルもとても高く、広国とは本当に比べ物にならないくらい授業が充実していると感じました。
また、この学校には義肢装具クリニックが併設してあり、すべての製作で実際の患者さんにモデルになってもらい授業が行われていました。そのため学生のうちから患者さんとのコミュニケーションを学ぶことができ、学生の対応も上手でした。
1ヶ月間研修を終えて、これから先日本の義肢装具士養成校は日本の国家試験だけではなく、ISPOも取得できるような養成校になるべきだと考えました(現在日本では1校のみ)。義肢装具士は海外でもまだまだ必要とされている資格なため、世界共通の資格を取得できればより海外で働きやすくなると思いました。
最終更新日:2024.03.26