〔救急救命学科〕多角的な学びを求め広島国際大学へ進学。多くの人を助ける救急救命士に
多角的な学びを求め広島国際大学へ進学。多くの人を助ける救急救命士に
大久保さんは子供の頃から、医療系の道に進みたいと考えていました。高校生になると、現場で直接人々の命を支える仕事に強くひかれ、救急救命士を目指すようになりました。広島国際大には第1志望で進学。救急救命士の受験資格が取得できることに加え他の医療職を目指す学生と意見を交換することで、新しい視点を学べることに魅力を感じたからでした。
1年から専門科目の授業が始まり、座学に加えて学内での実習も充実していました。「覚えた知識はすぐに実習で実践するという繰り返しだったので、暗記が苦手な私にぴったりの環境で学ぶことができました」と振り返ります。学年が上がるにつれ、実習の難易度も上がり、現場を想定した実習では、習得した知識を応用できず、何をしたらよいか分からなくなったこともありました。しかし、この経験は、大久保さんに貴重な気付きをもたらしました。「分からないと動けずにいては、誰も助けられない。まずは動いてみる。そこでもし間違えたら、その時、修正すればいい」と、前向きに考えるきっかけになったのです。
大学の勉強に励む傍ら、体力づくりのために引っ越し業者のアルバイトを1年から始めました。救急救命士になり、多くの人を助けるには体力が必須だと考えたからです。作業は力が必要な上に搬入搬出は時間に制約があるため、小走りで移動しなければなりません。最初はついていくだけで精いっぱいでした。休みたいと思うこともありましたが、「休んだら、体力がつかない」と自分を奮い立たせ、コツコツと努力を積み重ねました。4年間継続したことで、「今では洗濯機ぐらいなら1人で運べそうです」と言います。昨年は実際の現場に救急救命士と向かう実習があり、2人の傷病者を病院へ搬送しました。授業で学んだ処置はできましたが、「けがの痛みや、その背景など傷病者に寄り添う大切さを学びました」と語ります。また、どんなに急いでいる時も傷病者一人一人に誠意をもって向き合う隊員を見て、自分もそのようになりたいと思いました。大久保さんは、広島市消防Ⅰ種に合格し、春からは消防局で勤務します。「やっと人を助けに行ける」と胸を膨らませる一方で、「業務はミスなく、新人という言い訳をせず、あらゆることを吸収して成長したい」と意気込みます。4年間の経験を生かして夢をかなえた今、後輩に「一度始めたら、妥協せずに最後まで頑張ってほしい」とエールを送り、輝くような笑顔を見せてくれました。
最終更新日:2025.03.07