医療栄養学科 長嶺教授が特許を取得〔核酸の分離方法及び増幅方法(特許番号:第7640978号)〕
核酸の分離方法及び増幅方法(特許番号:第7640978号)
歯や骨の主成分であるハイドロキシアパタイトおよびその誘導体(核酸選択吸着剤)がDNAと結合し複合体を形成することは古くから知られていました。近年、この複合体から得られたDNAを遺伝子増幅する方法も研究されています。遺伝子増幅するためには、核酸選択吸着剤からDNAを単離しなければなりませんでした。これまでは、この核酸選択吸着剤からDNAを単離させるためにpHを下げて酸性にする必要がありました。このため、得られたDNAを使用するときは酸性溶液を中性に戻す操作が必要となり、煩雑になっていました。
長嶺教授はこれまでの研究において、熱処理を行うことにより核酸選択吸着剤からDNAを単離させる方法を見出し、特許を取得しています(特許第7446576号)。今回この技術を応用し、複合体をLAMP反応液に直接入れて増幅できることを見出しました。遺伝子増幅法であるLAMP法は65℃程度の一定温度で遺伝子増幅する方法であり、この温度下では核酸選択吸着剤からDNAが解離できます。すなわち、1つの反応チューブ中でDNAの単離と遺伝子増幅が同時進行で行うことができるのです。DNA抽出と遺伝子増幅が簡便に行えるため、様々な遺伝子検査に応用できることが期待されます。
最終更新日:2025.03.19