広国市民大学公開講座「数学のひろがり51・江戸の医療と数学」開催!
11月16日,看護学部の糠信先生と公開講座を開催しました。「江戸時代は武家社会で数学にも流派があります。医療はどうですか?」という私の素朴な質問に端を発し,糠信先生と議論を重ねて準備しました。糠信先生は医療の世界史と比較しながら,江戸時代の医療を解説し,私は宮島の算額に関係する和算家を紹介しながら,江戸時代の数学を解説しました。
ご参加くださったみなさんの感想です。
【江戸の医療】
・糠信先生の熱量がとてもすごく,感動しました。人の熱量を感じることができてとても良かったです。人の熱量,人に伝える力,人に伝えることの大切さを感じました。
・江戸にとどまらず,歴史をさかのぼって今につながり興味深かったです。テンンポもよく聞き飽きぬものでした。
・なかなか聞くことができない事柄を軸にして,全体を見ることができて,とても興味深くあっという間の時間でした。
【江戸の数学】
・(江津時代に)日本人の方が(西洋より)先に研究成果を残していたものもあったと知り,とても驚きました。
・数学は,生活の底にあって,人の生活を便利にしたり,快適にしたりすることを支えていたことを知りました。
・麻田剛立さんを通して伊能忠敬さんと広島に縁があったとわかり嬉しく思いました。
・新しい視点で全体を見ることができて,とても面白く聞けました。和算もかなり頑張っていたんですね。
ご参加くださったみなさんから沢山教わりました。
・大阪の坐摩神社にかつて算額が沢山奉納されていたという石碑がありました。
・算額は倉敷の阿智神社にもありました。
・伊能忠敬は,大島にも測量に来られた,と聞いたことがあったのを思い出しました。大島にはシーボルト上陸の地,という碑も建っているんですよ。
・シーボルトについては博物学者としてだけでなく諜報活動家という視点も加えることも必要でないかと思います。
最後に糠信先生と私の感想です。
無事に役を終えることが出来て光栄でした。また,薬学部の先生にもご参加いただけたことで,文字通り「ひろがり」を実感する機会になりました。この公開講座のような授業だったら,学生さんたちももっと楽しく学んでくれるのではないか,と感じました。(糠信憲明)
糠信先生のご講演――この日のために紡いでくださった物語――を聞くのも楽しかったし,自分の講演も楽しかったです。ご参加くださった先生お二人に講評していただいたのもよかったです。双方向にコミュニケーションができ,講演者と参加者の一体感が生まれました。
(西来路文朗)
次回の数学公開講座は1/25(土)「対数の値」です。ぜひご参加ください。
記事作成:西来路文朗(薬学部教授)
写真撮影:和田紅愛(呉写真部部長,薬学部2年)
最終更新日:2024.11.26